7月に、猛毒キノコとして知られる「カエンタケ」が各地で確認されたことをお伝えした。このキノコは「殺戮の天使」というニックネームがついている。そのキノコの現場を取材してきた。
怖い毒キノコ “ドクツルタケ
豊かな緑の中に生える真っ白なキノコ。高貴で凛とした姿が印象的です。
公園を訪れた人「かわいいですね。スリムでキュートなスタイル。
しかし、このキノコは、その白く美しい見た目とは裏腹に、強い毒性を持つことから「殺戮の天使」という恐ろしいニックネームを持っている。別名「ドクツルタケ」。
このキノコが今、日本全国で増殖している。先月、きのこ散策に多くの人が訪れる埼玉県の森林公園で確認された。
同公園で定期的にきのこ観察会を開いている専門家とともに現地を訪れました。
きのこ入門」代表の大舘和夫さん「これはドクツルタケというきのこです。とても怖い毒を出す毒キノコです。
この怖い毒は何なのか?どんな症状なのでしょうか?
大舘代表「食べてから1日ほどで、消化器系の中毒が起こります。腹痛、嘔吐、下痢などの症状が出ますが、通常1〜2日で症状は治まります。
しかし、ここからが本当に怖いところです。
大館代表「1週間から10日ほど経つと、黄疸(目などが黄色くなること)が出たり、血便が出たりと、深刻な事態が起こり始めます。このとき、肝臓や腎臓の細胞はほとんど破壊されており、医者に行っても手の施しようがない。
一晩」で約15センチに成長
死亡事故も複数報告されており、日本で最も毒性の強いキノコのひとつとされている。
今回訪れた埼玉県のほか、先月から長野県や群馬県、山梨県などでも目撃情報が相次いでいる。原因は何なのでしょうか…?
大館代表:「今年は梅雨明けが早く、気温が高く雨が降らない時期が長かったんです。そのため、キノコが発生しにくいのです。こちらでは、台風の影響で雨が多く降りました。条件が整って、一気にキノコが出たのだと思います。”
ドクツルタケの恐ろしさは、やはりその成長の速さです。
今あるのは幼菌で、成長する前の状態。成長すると体長15cmほどになります。ここまで成長するスピードは、約1日。つまり、一晩で成長するのです。
これから秋にかけて、ドクツルタケはさらに増殖する恐れがあります。見かけたら要注意です。
白いキノコにも注意」と専門家。
一方、山梨県・西湖の森では。キノコ狩りのピークを前に、色とりどりのキノコが顔を出していた。
散歩を続けていると、枯れ葉の中に白いキノコがいくつもあるのを見つけた。もしかして、ドクツルタケ?
西湖レストハウスの担当者。”1時間くらいで大体20個くらいは見たかな”
専門家に聞いてみると、意外な事実が明らかになった。この白いキノコは何ですか?専門家によると…
東京農業大学の橋本公子教授。”形状からテングタケ属のキノコであることは間違いないです。ドクツルタケの仲間、白いオニヤンマの仲間、といったところでしょうか。
ドクツルタケと同じく毒性が強く、嘔吐や下痢などの症状を引き起こし、最悪の場合、命を落とすこともあるそうです。
橋本教授「日本で怖いキノコと言われるテングタケ属のキノコは、ほとんどが白色です。白いテングタケ属のキノコは危険なので、絶対に食べないでください。”